武田報恩会は武田百貨店の七代目である、武田貞助氏によって家業発展の御恩を社会に還すべく設立され、これまでに延べ約1200名の学生さん方に支援をして参りました。
私達の郷土・青森のこれから大きく羽ばたくべき若い能力が、経済的理由等によって埋もれる事無く、存分に力が発揮できる様お手伝いが出来ましたら光栄です。
願わくば、その若い力が明日の郷土・青森を、そして日本を担う力になってくれる事を願って止みません。

わが武田百貨店は、安政二年の創業以来、幾多の困難に遭いながらこれを克服し、今日の盛業をみるに至りましたが、これは、歴代経営者・従業員の刻苦勉励もさることながら、取引先及び顧客の方々の変わらざる御支援、社会の多方面の方々の御恩願によるところ大であります。武田百貨店の代表者である私は、このことを想うにつけ、今日の成果はその一部なりとも社会に還元すべきものと考え、ここに私財の一部を提供して一般財団法人武田報恩会を設立することにいたしました。
本財団は、発足時においては規模も小さく事業内容もささやかなものでありますが、財団が型を整え活動が軌道に乗った暁には、順次、財産を補充して規模を拡大し、事業内容も、育英事業の外、教育施設の充実、体育振興、福祉厚生などのための財政的援助を行うこととし、広く社会に貢献したいと考えております。
何卒、本財団設立の趣旨を御理解下され、御支援を賜りますようお願い申し上げます。

昭和57年8月20日